Illustrator 2026 新機能レビューと深刻なバグ問題について

Illustrator 2026 新機能レビューと深刻なバグ問題について illustrator

こんにちは! Adobe MAX 2025に合わせて、Illustratorがメジャーアップデートされました。名称も「Illustrator 2025」から「Illustrator 2026」(バージョン30.0)へと変更された、大型アップデートです。

今回のアップデートでは、もちろん便利な新機能も追加されていますが、それ以上に注目されているのは、以前のバージョン(Illustrator 2025)で世界中から報告されていた「Illustrator バグ問題」ではないでしょうか。

「ファイルが開けない」「作業中にクラッシュする」「フリーズする」といった深刻な問題が、今回のIllustrator 最新 アップデートで解消されているのかどうか。

この記事では、Illustrator 2026で追加されたIllustrator 最新機能の詳細なレビューと、最も気になるバグ問題がどうなったのかを徹底調査した結果を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

申し遅れました。私は「専門学校講師のイラレさん」と申します。現役の専門学校講師で、IllustratorやPhotoshop、AI関連の授業などを受け持っています。詳しくは以下のページをご覧ください。

専門学校講師イラレさんのプロフィール
専門学校講師イラレさんのプロフィールと実績。YouTube、書籍、動画講座など「たのしく、わかりやすく」教えるのがモットー

Illustrator 2026の注目新機能を紹介

まずは、Illustrator 2026でどのような機能が新しくなったのか、私が注目したポイントを詳しく見ていきましょう。

Illustrator 2026では生成AIが強化された

Illustrator2026では生成AIでFirefly Vector4というモデルが選べるようになった

Illustratorの生成AI機能で、使用するAIモデルを選択できるようになりました。

  • Firefly Vector 3
  • Firefly Vector 4

「Firefly Vector 4」の方が、より複雑で高品質なベクターを生成できるとのことです。

Illustrator 2026の生成AI機能を検証。2023年と2024年に作成したイラストを並べて比較。

その実力を検証するため、過去バージョン(2023年、2024年)で生成したものと、同じプロンプト「女性の顔 アニメ」で比較してみました。その結果が下の画像です。

Illustrator 2026の生成AIで、元イラストをスタイル参照した際、意図せず髪の色が変わってしまった様子。

2026年版(Vector 4)は、以前とはかなり毛色の違うテイストのものが生成されました。検証条件をおなじにすべく、あまり細かくプロンプトを入力していないのもあるのですがちょっとイメージしていたものと違いますよね。

そこで「スタイルを参照」という機能を使って、参照画像と似たスタイルで生成してみたのが下の画像です。

Illustrator 2026の生成AI機能で、参照したアニメ風イラストのスタイルが引き継がれず、画風が変化してしまう様子。

やっぱり、テイストが違う。もう少し使って検証していかないと何とも言えない感じですね。

また、約1年前に「ねこ」というシンプルなプロンプトで「シーン」「被写体」「アイコン」の3種類で生成したものとも比較しました。

Illustrator 2026と2025の生成AIを猫のイラストで比較。シーン、被写体、アイコンの3つの作例。

個人的には「アイコン」の精度は上がっているように感じますが、これは好みの問題レベルかもしれません。結論、精度が上がっているかどうかは、はっきりしないと感じました。

またChatGPTやNano Bananaなどでできる対話型の生成(「これと同じテイストで」や、「そのまま手を上げたポーズで」のような指示)は、まだ意図を汲み取りきれないようでした。

Illustrator 2026のパフォーマンス改善

Illustrator 2026で猫や風景のオブジェクトが大量に重なり、パフォーマンス負荷をかけている様子。

今回のアップデートで、パフォーマンス(動作のスムーズさ)が強化されました。これまでよりも複雑なレイヤーや、非常にたくさんのパス(オブジェクト)があっても、スムーズに動作するようになりました。

試しに、大量のオブジェクトを無駄に増やしてカオスな状態にしてみましたが、以前なら引っかかりを感じていたズームツールなどでの操作が、確かにスムーズに動きます。

Illustrator 2026の性能向上により、ぼかし効果をかけた多数のイラストも軽快に動作する様子。

さらに驚いたのは、「ぼかし」などのラスタライズ効果(重くなりがちな処理)を適用した後でも、動作が軽快だった点です。これは非常に素晴らしいです!

Illustrator 2026のフォントオプション機能の強化

Illustrator 2026の文字パネルに追加された新機能「フォントライブラリ」で、新規ライブラリを作成する画面。

フォントにまつわる機能も強化されています。

文字パネルのフォント選択メニューが改善され、以下のような項目が追加され、操作性が向上しました。

  • 最近追加したフォント
  • ローカルフォントを表示
  • ドキュメント内のフォントを表示

また、新しく「ライブラリ」機能が追加されました。これは、例えば「A社の案件用」「このYouTubeチャンネル用」といったように、用途に合わせたフォントを整理して保存しておける場所です。

Illustrator 2026で強化された文字パネル。「でこぼこ」などのスタイルを選んでフォントを探索する様子。

「もっと探す」から新しいフォントを追加する画面も整理され、「スタイルの検索」や「人気のフォント」などが表示されて探しやすくなっています。気になったフォントは「ライブラリに追加」ボタンから、作成したライブラリにすぐ登録できるので便利です。

Illustrator 2026のスナップ機能の強化

Illustrator 2026の新機能。強化されたスナップ機能で、円の「正接」に線が正確に吸着する様子。

オブジェクトを配置する際に、ピタッと吸着する「スナップ機能」が強化されました。

1. 正接(せいせつ) 円(楕円)に対して直線を描くとき、これまでは勘で操作して微妙にズレてしまうことがありました。新しいスナップでは、円のフチに「正接」というガイドが表示され、自動的に円にぴったりと接する線を引けるようになりました。

Illustrator 2026の強化されたスナップ機能。「正接」ガイドが表示され、円に線を正確に描いている。

2. 直角スナップ 45度や90度といった決まった角度ではない、適当に引いた斜めの線に対して、正確な「直角(90度)」の線を引くことが可能になりました。これにより、複雑な幾何学的な模様を作成する際の計算が不要になり、作業効率が大幅にアップします。

Illustrator 2026のグラデーションの精度向上

Illustrator 2026の新機能で解消する、グラデーションの段差問題。「グラデーションが段になっている」と表示。

グラデーションに新しい項目が追加されきれいなグラデーションが作れるようになりました。

1. バンディング(色の段差)の軽減 グラデーションをかけた際に、色の変わり目が滑らかにならず、シマシマの「段」になって見える現象(バンディング)がありました。少しわかりにくいかもしれませんが、上の画像がバンディングの様子です。滑らかなグラデーションにならないんですね。

Illustrator 2026では、グラデーションパネルに「バンディングを軽減(ディザ)」というチェックボックスが新設されました。

Illustrator 2026のグラデーションパネルで、新機能「ディザ」にチェックを入れ、色の段差を軽減する様子。
Illustrator 2026の新機能、グラデーションの段差を滑らかにする「ディザ」をオンにした状態。

操作は簡単で、段差が気になるグラデーションを選択し、この「ディザ」をクリックするだけです。これだけで、滑らかなグラデーションに補正されます。これもちょっと画像だと伝わりきらないかもしれません。ですが、シマになったらチェックを入れると覚えておけば困ったときに助かるはずです。

2. グラデーション方式(クラシック / 知覚的) グラデーションの作成方式を選べるようになりました。

Illustrator 2026のグラデーション機能で、従来の「クラシック」方式を適用したオブジェクトの例。
Illustrator 2026の新機能、グラデーションの「知覚的」方式で、ピンクから青へ滑らかに色が変化する。
  • クラシック: 従来の、技術的・理論的に正しい色の計算方法。
  • 知覚的: 人間の「感覚」に合わせて、より自然に見えるように調整された色の計算方法。

これにより、意図した通りのグラデーション表現がしやすくなりました。

Illustrator 2026のアートボード操作の改善

Illustrator で、「アートボードツール」を選択。
Illustrator 2026の新機能。アートボードを右クリックし、「ロック」や「書き出し」が直接選択できるメニュー画面。

最後はアートボード(作業領域)周りの改善です。

アートボードツール(ショートカット: Shift + O )を選択した状態で、アートボード上で右クリックをすると、専用のメニューが表示されるようになりました。

ここから「アートボードをロック」「再配置」「アートボードを書き出し」などの操作が素早く行えるようになり、複数のアートボードを管理するのが非常に楽になりました。


Illustrator 2026でバグはどうなった?徹底調査

Illustrator 2026(v30.0)で、前バージョンのバグ問題が修正されたかを調査した結果報告。

さて、ここからが本題です。Illustrator 2025で多発した「Illustrator バグ問題」は、今回のアップデートでどうなったのでしょうか。公式のリリースノートやコミュニティなどを徹底的に調査しました。

Illustrator 2026の調査結果:結論

結論から言うと、「日常的なストレスになるバグは多数修正されました」。ただし、残念ながらバグがなくなったとは言えなさそうです。

Illustrator 2026までに修正されたバグ

Illustrator 2026で修正されたバグ。保存中のフリーズやフォント置換など、日常的な不具合の改善点を示すアイコン。

まず、公式に「修正された」と発表されているバグです。

  • 保存中にフリーズしたり、遅くなる問題
  • フォントが勝手に置き換わる問題
  • その他、日常的な不具合

これらの問題が修正されたことで、日々の作業の安定性は以前より向上していると考えられます。私は正直セーブが遅いのは、PCのせいなのかと思っていましたがあれもバグの一種だったようです。そうなんだ。

Illustrator 2026でもまだバグは根深そう

Illustrator 2026がクラッシュから回復したことを示すダイアログと、「問題なしとは言えない…」という警告文。

いろいろ修正されたというようですが、私自身、この検証中にIllustrator 2026を使用していたのですが、実際に一度クラッシュ(強制終了)しました

また、Adobeの公式コミュニティなどを見ても、アップデート後(v30.0)でもフリーズやクラッシュの報告が見受けられるようです。


Illustrator 2026アップデートまとめ

Illustrator 2026は、グラデーションの強化やパフォーマンスの向上、スナップ機能の改善など、確かに素晴らしいアップデートが多く含まれています。

しかし、「バグが完璧に改善された」とは言いにくいのが現状です。

もし、あなたが「安定性」を最重要視して仕事で使っているのであれば、もう少しコミュニティなどでのフィードバックを待ってからアップデートを検討する「様子見」が良いかもしれません。

個人的にはAdobeさんを応援していますし、頑張ってほしいと心から思っていますが、クリエイターの皆さんにとっては大きな問題でもありますので、今回調査した内容を共有させていただきました。

2025年版のイラレ使い方については、以下のページもご覧ください。

【2025年版】Illustratorの使い方を超かんたんに解説
Illustrator 使い方を2025年版として超かんたんに解説!起動後のホーム画面の見方から、基本操作・ツール・レイヤーの使い方、パスやオブジェクトの仕組み、話題の生成ベクターや進化した3D機能まで、初心者にもわかりやすく丁寧に紹介

※本記事は、以下のAdobe公式情報を基に再構成したものです。

引用・参照ソース一覧

Adobe公式情報 (リリースノート・修正情報)

Adobe Community (ユーザー報告・ディスカッション)

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